バブ記念日

 赤ちゃんの決まり文句のような、2つの破裂音で構成されている入浴剤「バブ」。存在は知っていたが、普段湯船につかる習慣がないこともあって、使用したことがなかった。

 友人と気兼ねなく会って話せるようになったときに、この自粛期間中のネタを作っておきたいなと思い、初めてバブ、使ってみました。パッケージの後ろに「完全に溶け切ってから浸かってください」みたいなことが書いてあったが、CMでよく見る「1色に塗りつぶされた人間が、炭酸泡を吹くバブと一緒に湯船につかる」様子*1を再現したかったので、私がお湯に入るのと同時にバブも入れた。

 

 

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らしいです。 https://www.kao.co.jp/bub/faq/

 

 バブってなかなか溶けきらないんですね。結構息が長かった。手のひらにバブを乗せると、炭酸を発しながら溶けていくバブの振動が伝わってきて、バブの鼓動を手に感じているような気がして、とても愛おしい気持ちになった。手を放すとバブが浴槽に沈んでいく。

 普段しないストレッチをする。湯船につかっていると、スマホも本も持ち込めないこの時間をなにか有意義なものに変換しなければいけない!という思いが強くなって、体を動かしてみたりする。

 

 不意に膝の裏にこしょばさを感じてのぞき込んでみると、そこには少し小さくなったバブが。傍らに置いたバブは、鼓動によって浴槽の床をゆっくりと移動して、すこし曲げていた膝の裏にまでやってきたのだった。愛おしい。思わず微笑んだ。

 

 家でずっと1人で過ごしていると「偶然」とか「突然」に遭遇しなくなる。身の回りで起こることのほぼすべてが、自分の意思をもとにした行動の産物になる。外部とつながっているときは、「偶然」サークル辞めた同期の女の子と会うこともあるし「突然」友達がくしゃみをしたりする。でも1人でいるときはそういうことはなかなか起きない。霊と同居してるとしたら話は変わってくるが「突然」テレビが点くこともないし、「偶然」窓が開いていることもない。

*1:調べたがヒットしなかった。私の頭の中にだけあるCMの記憶か?

備忘録 加賀一人日帰り観光

09:03 アラームの音で目を覚ます。ここ最近12時に起きていたのでまさかこんな朝早くに起きられるとは思っておらず、自分を褒めた。カーテンを開けると雪が降ってて窓の外が真っ白だった。3月中旬なのに。笑った。

11:00 金沢駅着。電車内で読む本が家になかったので、うつのみやで買う。シューマッハの『禁忌』。カフカの『変身』を読み終えたばかりで、ドイツ文学かっこいいな期に突入している。でも他人の前で読んでいるときに表紙を見られ、「こいつかっこつけてんな」と思われるのが嫌なので、ブックカバーを付けてもらった。私には自意識過剰なところがある。

11:28 社内で食べるためにメロンパンとチョコとお茶を買って、普通列車に乗る。人が多い。なんとか女子高生と相席で座れはしたが、メロンパンを食べて良い状況ではなかったのでカバンに眠らせておく。座席下の暖房がメチャクチャ暑かった。タイツ越しの熱が皮膚を焼かすくらいの勢いだった。寝不足のため眠くなる。私服の女子中?高?生が3,4人でわいわいしゃべってた。「イオン行く?」って言ってた。いかにも地方都市の子供らしい発言だな、とほのぼのして(内心ちょっと下に見て)いたが、自分の地元にはイオンすらもないことに気付いた。彼女たちは小松で降りて行った。イオンは小松にあるのか。

12:19 加賀温泉駅着。カップルが多い!!カプルが多い。バスを待っていたカップル。彼氏が「今いるバス停に望みのバスは来ない、本来はあっちにいるべきらしい」ことを彼女に伝えると、彼女は「まじで?まじで?やばいやん!!ww」と言いながら、荷物も置いてピューっとあっちに行ってしまった。彼氏は彼女が置いていったキャリーケースやカバンを持って追いかけていく。「くいもん屋ふるさと」に行くと私の前に3名のグループと12名のサークル大学生っぽい連中が名前を書いて待っていた。11時開店で12時過ぎに着てもこれとは、そうとう人気な店らしい。こういう人気店に「○○○○ 1名」と書くのは申し訳なくなる。だけど書く。この店の加賀パフェを食べるために今回の旅行を組んだといっても過言ではないからだ。

12:40 呼ばれてカウンター席に着く。名前を書いた時に感じた罪悪感が薄れる。メニューをとりあえず全部見ていると、なめろう丼がメチャクチャ美味しそうな顔をしてきたので頼んだ。美味しい!!!!初めて食べた。今後居酒屋にあったときは積極的に頼んでいきたい。加賀着即パフェのよていだったのに、がっつりご飯ものを食べたため胃が驚いている。トイレで胃を落ち着かせてから、よし、これからが本番だ。加賀パフェ1つお願いします。店員さんが少々驚いた顔をしてた気がする。このパフェにはお酒が含まれているので同意書を書かないといけないらしい。書かせるのを店員さんが忘れていたのか、結局退店するまで書くことはなかった。先に付属品の加賀棒茶と甘酒ソースが運ばれる。主役が不在のまま5~10分くらいたった。主役を待つ私の視点の先を見て、店員さんが「ヤベ」という雰囲気を出した後、主役が運ばれてきた。想像以上にデカい。食いきれるのかと心配になる。そもそも最近パフェを食べていなかったため、パフェのモリモリした感じにびっくりしてしまった。想像以上に日本酒!すごい、パフェから酒の匂いと味がするのが未体験すぎて脳が驚いている。日本酒ロールケーキ美味しかったな。底にある日本酒ゼリーが1番酒感強かった。パフェを食っていると、サークル団体が退店しようとしていたのだけれど、なんと一人一人お会計をしていた。店員さん、連続して12回も現計キー押してレシート渡さなあかんなんて大変だな。知り合いのキレやすい複合型カフェ店員がこんな目に遭ったらブチギレるだろうな、とも思う。

14:?? 店を出た瞬間に目当てのバスが停車しているのを見て、ダッシュ。ゆったりのんびり加賀一人旅でまさか走ることになるとは。右後ろの二人掛けの席に座る。序盤は大きなドラッグストアとほっかほっか亭が見えたことしか記憶にない。しばらくすると住宅街に入り、ほどなくして温泉街(旅館街)に入る。こうやって一人で知らない土地を走るバスに乗り、車窓の風景をただ眺めているなんて、なんて贅沢な時間なんだろう。

15:24 山中温泉着。鶴仙渓遊歩道をひたすら歩く。美しい風景やハッと思わせられた川の流れをスマホに収める。少しでも映画製作(かっこつけんな)の手掛かりになればと思い、動画や写真を撮りまくる。途中で一人の男性に話しかけられた。川を歩いている目線で30秒くらい動画を回していたら、一人の男性に変な目で見られた。川の囂々と流れる音や、しとしと落ちる水をじっと眺めてたら、それに吸い込まれそうになった。道幅がとても狭い。右側の川と左側の土壁が、その間を歩く私にどんどん迫りくる。気を抜いたらどちらかの世界に触れてしまいそうになる。私に

 

 

 

書き加えるのを忘れていました。仕方がないので公開します。

 

 

はるやすみ

新歓のビラ配りのあと、サークルの先輩・同期とキャッチボール。

だだっ広くて人気の無い大学の荒れた運動場。目を細めさせる逆光の中、言葉少なにキャッチボールをするのは大変心地良い。今思い出してもここちよい。

夕食にと予定していた二郎系ラーメンを提供する店が開店前だったので、ビリヤードをして時間をつぶすことに。店内には猫が一匹。名前は忘れた。毛の短い猫だった。今度、「ネコチャンがいれば何もいらない」が口癖の友人と行きたい。

開店時間になったので店に向かうと、長蛇の列が目に入る。先輩によると、二郎系ラーメンはインスタ映えするらしい。ほんとうか?

ラーメンは諦めて、チャンピオンカレーに。おいしい。カレーライス。

寝坊してビラ配りの集合時間に遅れたことを除けば、素晴らしい一日であった。